初めての卒業生

初めての卒業生

8月17日

外から聞こえてくる「声」は、まるでグラデーションのように移り変わっていきます。初夏から聞こえていたカエルの合唱は、次第に少なくなり、代わりにセミの合唱になりました。そしていまはそれに加えて、コオロギたち秋の虫の合唱へ。感嘆するほど、美しく自然はつくられていると感じます。

後ろ足の出ているオタマたち、元気がなく寝てばかりです。エサを採っているところもあまり見ないので、一匹を外の小ボックスに移動させてみました。

でもやはりエサは食べない、寝てばかりなのは変わりませんでした。前足の登場を待つこの時期は、身体の変化が激しく、すべてのエネルギーをそれに集中させているのかもしれません。

緑の少しまだらの入ったアマガエルちゃんが来ていました。アマガエルは見ていると、なんとなく決まったポジションがあるようです。

透明ケースの小さめの2匹は、なんとなく仲が良さそうに見えます。よくくっついて一緒にいるためです。そういう意味では、他のボックスのオタマたちもよくくっついていますが、なんとなく緊張感があります。ときどき、バッと離れるのは、もしかしたら片方が食べようと口をつけた瞬間なのかもしれません。

今夜は、窓へ久しぶりに赤ちゃんガエルが来ています。きっと、メロディが訪れてくれたのだと思いました。

8月18日

ぷっくりしてるオタマジャクシのプックリちゃん、夜6時半に右手が出るのを確認しました。そして8時頃には、もう左手も出ました。

昼に裏側を見たとき、手が生えてくるあたりの皮膚がだんだんやぶけているのが分かり、また左右ともほぼ同じくらいのやぶけ具合でした。両手が出たとはいえ、まだ動きがおぼつかないので、しばらく外へは出しません。

そんななか、いつのまにか両手がでてきていたカエルちゃん、ずっと寝ていたり、水中に潜っていたのでまだ出てこれないのだろうと思っていたら、エサやりの際に、あっという間にボックスの外へ脱走。

そして、また見失ってしまったのでした…。

夜11時頃、初めての卒業生です。このカエルちゃんは、両手が出て2日ほど経ちました。そろそろ出してもいいだろうとの判断です。

ケースのフタを開けると、さっと上に登ってきました。そして、その先にある庭が視界に入ると、ぐっと身を乗り出し、あっという間に飛んでいなくなってしまいました。両手が出てきた頃に比べると、ずいぶん登れるようになり、ジャンプ力もアップしたと思います。

このカエルちゃんは、元々食べられかけていたのを助けました。ぐったりしていたのを思い出すと、感慨深いですね。

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